去年(2019年度)、これで最後にしようと本気で挑んだ一年だったのですが、あえなく撃沈。
あー…神様っていないんだな…
努力は報われない
継続は力にならないなり
20代無駄にしたな〜…
こんなことを考えながら、数日ぼーーっと現実から逃げるように過ごしました。
現実逃避をしていても、頭の中には、
「本当にやめるのか?」
「本当に医者になるのを諦めるのか?」
こんな言葉がぐるぐるぐるぐる巡って止みません。
そんな時ふと、とある個人塾のことを思い出しました。
そこは、地元にある唯一の医学部専門の個人塾です。
その塾の存在自体は数年前から知っていたのですが、存在を知った時の私は今思えば人生で1番病んでいました。
塾の最大の売りは少人数制で、先生と生徒の距離が近いこと。また教科によりますが、生徒が黒板に解答を書き、その場で添削、などの指導あり。そしてバンバン当たる。
まさに、学力が伸びること間違いなしの塾です。しかも学費は高くない。
普通医学部専門予備校とか塾って、桁違いに高いじゃないですか。
そこの塾は、高くないんです。むしろ安い。
もっと早くこの塾にお世話になっていたら、もっと早く受かっただろうな、間違いなく。
でも、当時の私の精神状態を考えると、行けなくても仕方なかったな…というくらい、私の心はどん底にいました。
まず人と関わりたくない。
そして人に認識されたくない。
もう私を知ってる人とは誰とも会いたくない。
そんな感じでした。若干鬱傾向にありますよね。今考えると。
何年も医学部受験に挑戦し、何年も落ち続けると、普通の人間ならそうなってしまうかもしれません。
そもそも何年もやる人って自分の周り(親とか親戚)に医者がいる人が多い気がします。再受験でも多浪でも。
周りに医者がいない人は、パッと気持ちを切り替えて他学部に進学したり、社会人に戻ったりする場合が多いかな、という印象です。
だから何年落ち続けても、身近に医者として働いてる人を見てるから、諦めもつかないし、せっかくここまでやったのに…という気持ちが強く出てしまうのだと思います。
その繰り返しで、私の心は真っ黒に染まってしまっていました。(再受験を決めたきっかけがそもそも暗いので余計に…)
しかし、冒頭の通り、今年絶対受かるぞ、と覚悟を決めて挑んだ2019年度。自己採点的にはかなり惜しいところまで行ったのに落ちてしまいました。相当落ち込みましたが、この塾をふと思い出した時に、
「塾長に面談してもらって客観的な意見を聞いてから今後のことは考えよう。」
と素直に思えたのです。
医者になるのをやっぱり諦めたくなかった私は、藁をもすがる気持ちで、塾長にアポを取ったのでした。塾長がホームページの自分の日記的なところで、「何十年もこの世界に関わっているからか、話をしているとその子が受かるかどうかなんとなくわかる」ということを仰っていたのも、直接話をさせてもらいたいと思ったきっかけの一つでした。
「何年もやっててまだ受かってない、才能なし」
と言われれば諦め、
「これならチャンスはある」
と言ってもらえたら泣きのもう一年ということで頑張る、と決めて、去年の3月中旬にお会いしました。
その年の模試の結果を持参し、大学卒後からずーっとやってるということも恥を捨てて伝え、全て包み隠さず話しました。
「うんうん、この成績なら、今年受かってても全然不思議じゃない。諦めるなんて勿体無いです。どうですか、うちで一年やってみませんか。」
あれ?なんか想像してたのと違う…
私受かる可能性あったの…?そんなに医学部が近いところまで来てたの…?あれ?
もちろん生徒集めの常套文句でもあるとは思います。
しかし、長い再受験生活で私は自尊心的なものも、どこかに置いてきてしまったようで、この言葉は心に響きました。
医学部がもう目の前まで来ているのも気が付かず、ずーーーっと遠い、見えない存在だと思い込んでいたんです。
落ち続ける自分なんて、ダメ人間。勉強しかしてないのにその勉強も大して出来ない、ダメな人間だ。
ということを落ちると同時に自分に植え付け続けていました。
でもそれって、例えば80人受かるところを、受験者320人中85位で落ちても、310位で落ちても、結果は
「不合格」
で全く同じ。惜しいとか、そういうのは意味なくて、ただ落ちた、という現実が残るだけだから、仕方ない気もします。
面談も、ものすごく緊張して、呆れられるんだろうな、最悪怒られても仕方ないな、という気持ちで塾長に会いに行った私にとって、あれれ?もしかして認めてもらってる?と思えるような答えが返ってきたのです。
そして、
「そんなに自分をダメだと思ったら、ダメです。自信を持ってください。受かりますよ。絶対受かりますよ。良いですか、自信を無くさないでくださいね。」
とまで言ってくれたのです。
私の心の中が見えているかのように。
私は元々人懐っこい性格で、人前ではヘラヘラ笑ってしまうので、この時も割と恐縮はしながらもニコニコと話してたと思うんですよ。でも見抜かれましたね。
「自信を持ちなさい。」
ということは、たびたび面談をしていただく中で、最後まで言われました。
入塾を決めて、初めての授業の日、塾長から優しく話しかけられました。
「自信持ってやれてるかい?」
「えーと(自信は全然ないな)…やる気だけはあります。」
「やる気があれば大丈夫!良い感じですね。今日から頑張ってね。」
と言ってくれたことは今でもはっきり覚えています。
一年を通して塾長には本当にお世話になりました。
ちょっと不安に思いながら塾に行くと、
「調子はどうだい?」
と声をかけてくれたり、こちらから用事があっていきなり相談をしに行っても、夜中まで話をしてくれたこともありました。
今年の受験校も塾長と相談して一緒に決めました。
偶然なのかわかりませんが、今年受かった某私大の話をした時に、ぼそっと
「ここは(受かる可能性)あるぞ」
と仰っていたことを思い出します。
私は2年しか経験がありませんが、私大医学部の受験は本当に難しいです。
難しさの種類は国公立と違うんですが、とにかく難しい。
私大の医学部だけしか合格したことがないのでアレですが、だからと言って私大の方が簡単、とは言いきれないな、というのが長く受験した印象です。
国公立にも、私立にも、偏差値的な順位ってありますが、アレは本当一応の目安でしかないと思います。
受験生本人がどの科目を得意とするか、どの科目を苦手とするか、受験校がどう言った形式の試験を作るか、そういった要因でその人に合った(受かりやすい)学校って、全然違うんですよね。
もちろん、どの大学にも適応できるように全体的に偏差値70超えを目指していくっていうのは共通してると思いますが、実際受ける大学というのは相性も考えないとダメですね。
そんななか塾長は、私が今年受かったところに関して、
「ここは○○さん、ありえるよ」
と仰ったので、今考えるとなんかすごいな…と思います。国公立に関しては、後日挨拶に伺った際、私が
「共通テストさえ失敗しなければ自己採点的には受かってたと思います。」
と、いうと、即答で
「受かってたと思いますよ。でも○○大に受かってるんだから大したものです。」
と言ってくれました。フォローも忘れない素晴らしい塾長です。笑
その時に、今だから言うけど、と仰ってくださった話があります。
「○○大(受かったところ)の面接練習の時は言わなかったけれども、○○さんは○○大の欲しい学生像とマッチしてるんだよね。性格的に。僕は春からずっと見てきて○○さんのこと知ってるから、そこは確信していました。だから自然体で行った方が受かると思って、所作や答え方に関しては指導しなかったんですよ。」
確かに、オンラインで練習をしていただいた際、すぐにオッケーが出たのは覚えています。ちゃんと面接の準備をして練習に挑んで良かった〜と思っていたのですが、そんな裏があったとは…笑 なんだか恥ずかしいような照れくさいような。
春から○○大の学生となる私ですが、しっかりと勉強し、頑張っていきたいと思います。
それでは長くなりましたが、塾長との出会いのブログ、終わりにしたいと思います!
塾長と出会えて本当に良かった。去年の春、勇気を出して相談に行った自分、えらい!
帰省したらまた、挨拶に伺いたいと思います。
ありがとうございました!